大阪大学歯学部同窓会 第100回学術講演会

   

大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。

10月20日(日)に大阪大学歯学部同窓会が主催する学術講演会に歯科医師2名歯科衛生士1名で参加してきました。

場所は大阪大学コンベンションセンターMOホールで、大阪大学歯学部OB・OGをはじめ、たくさんの歯科関係者が集まっていました。

記念すべき第100回の今回は「完全なる口腔機能の予防・維持と回復・再建を目指して」という内容でした。

講師は大阪大学大学院歯学研究科の教授8名でした。

午前の部は「完全なる口腔機能の予防・維持を目指して」と題して4名の教授の講演がありました。

トップバッターは天野敦雄教授(予防歯科学教室)でした。

「歯を残すための科学」と題して、口腔内のバイオフィルムに関したお話を中心に時に冗談を交えながらとてもわかりやすく説明して下さいました。

天野先生の講演は一般の方が聞いてもわかりやすく楽しく聞くことが出来ると思います。

次に林美加子教授(歯科保存教室)が「最新診療ガイドラインに沿ったう蝕治療ー初期エナメル質う蝕から根面う蝕への対応までー」と題してエビデンスに基づいたムシ歯の治療についてお話して下さいました。

う蝕検知液やスプーンエキスカによるう蝕の除去についての詳しい解説や、サホライドの応用、フッ化物による予防の話まで30分という短い時間の間にポイントを凝縮して説明して下さいました。

3番手は山城隆教授(顎顔面口腔矯正学教室)でした。

「骨格的な問題を含む不正咬合に対する矯正歯科治療による口腔機能の回復と再建」と題して、口唇口蓋裂を中心とした不正咬合に対する矯正治療に関するお話でした。

難症例が多く集まる大阪大学ならではの症例をたくさん見ることが出来ました。

午前の部最後は加藤隆史教授(口腔生理学教室)でした。

「眠りと口腔機能の維持・回復」と題して睡眠中の歯ぎしり、ブラキシズムや睡眠時無呼吸症候群についてお話して下さいました。

様々な要因から日本人は世界の中で最も睡眠時間が短いようです。

人間の活動において最も重要な睡眠についての理解が深まりました。

午後の部は「完全なる口腔機能の回復・再建を目指して」と題して4名の講演でした。

午後の部トップバッターは村上伸也教授(口腔治療学教室)でした。

「歯周組織再生剤リグロスは歯の延命に寄与できるか」と題してご自身が開発された歯周組織再生剤リグロスについて実際の症例を交えながらお話されました。

世界で組織再生剤として認可されたのはリグロスが初めての快挙です。

改めて大阪大学の研究のレベルの高さを感じました。

次に西村理行教授(生化学教室)が「骨バイオロジーから挑む口腔機能の予防・維持・再生」と題して、骨のリモデリングの話から骨粗鬆症や顎骨壊死の話まで歯科医師にとって必要な骨に関する話を生化学の立場からお話して下さいました。

顎骨壊死に対しては医科歯科の連携が重要であると強く感じました。

午後の部3番手は池邉一典教授(歯科補綴学第二教室)でした。

「口腔機能維持から介護予防へ」と題して口腔機能の維持が全身の運動機能の維持に繋がることを研究データと共にお話されました。

歯の喪失(咀嚼力の低下)によって、硬い食べ物を避けるようになると栄養バランスが偏って、筋力や骨密度の低下に繋がります。

改めて若いうちから歯を失わないように予防することが大切であると認識しました。

大トリは鵜澤成一教授(口腔外科第二教室)でした。

「歯科の特性を生かした顎口腔機能再建」と題して、舌癌や歯肉癌などによって失われた舌や顎骨の再建について実際の症例を基にお話されました。

咬合まで考慮した再建は歯科大附属病院だからこそ出来る技であると思いました。

午前の部、午後の部の最後に教授4名によるシンポジウム、質疑応答もあり、大変濃密な1日を過ごすことが出来ました。

またセミナーに参加した際には報告させて頂きます。


上本町プラザ歯科

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