葉酸について

   

大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。

今回は栄養素の中の葉酸についてお話します。

葉酸はビタミンB群の1種で、赤血球の形成やDNA合成にかかわる、全世代の男女にとって必要な栄養素です。

2015年版の「日本人の食事摂取基準」では、0歳から70歳以上までの推奨量または目安量が定められており、男女とも18歳以降における推奨量は1日あたり240μgとされていますが、妊娠期には胎児の成長のために必要量が増大するため、倍の480μgとされています。

特に妊娠初期は胎児の細胞増殖が盛んであり、神経管の形成期であるため、この時期に葉酸が不足すると胎児の神経管閉鎖障害発症リスクが高まることが明らかにされています。

研究の進んでいる欧米諸国では、発症リスク低減のため、食品からの摂取に加えて栄養補助食品からの葉酸摂取が勧告されています。

わが国でも神経管閉鎖障害のリスク低減の観点から、受胎前後には母親の十分な葉酸摂取が重要だと考えられています。

葉酸は主に緑黄色野菜や豆類、果物などに多く含まれています。

これらの食品をバランスよく摂取することが大切ですが、水溶性ビタミンであるために調理損失を受けやすいこと、また現状では食品中の葉酸の生体利用率が確定しておらず、神経管閉鎖障害のリスク低減に有効な量の科学的根拠もまだ十分ではないことから、当面栄養補助食品の利用が有効と考えられています。

「日本人の食事摂取基準」では、妊婦への付加量とは別に「妊娠を計画している女性または妊娠の可能性がある女性(妊娠1ヵ月前~妊娠3ヵ月)は、食事からの葉酸に加えて、栄養補助食品から400μg/日の摂取が望まれる」と付記されています。

ただし、栄養補助食品はその簡便性から過剰摂取につながりやすい面があります。

過剰に摂取すれば、ビタミンB12欠乏に起因する障害の発生を隠してしまい、重篤な疾病の発見が遅れてしまう危険があります。

1日400μgを超えないように摂取することと、各栄養素の摂取はあくまで日常の食事が基本であり、安易に栄養補助食品に頼りすぎないように注意する必要があります。


上本町プラザ歯科

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