フッ化物の応用について③

   

大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。

今回はフッ化物応用についての続きをお話します。

厚生労働省が定めたフッ化物洗口ガイドラインには「フッ化物洗口と他の局所応用法を組み合わせて実施して、フッ化物の過剰摂取になることはない」とあります。

また、「アレルギーの原因となることもない。骨折、がん、神経系および遺伝系の疾患との関連などは、水道水フロリデーション地域のデータを基にした疫学調査等によって否定されている」と明記されています。

つまり、使用後に口に残ったフッ化物を摂取しても、急性および慢性の毒性が発現する量には達しないということです。

ブラッシング後、フッ化物配合歯磨き剤は吐き出してうがいをしますが、一部は口に残ります。

3-5歳児では使用量の15%が残りますから、フッ化物濃度500ppmの歯磨剤0.25g使用で0.019mgのフッ化物が残ります。

たとえ1000ppmの歯磨き剤を使用しても、2倍の0.0375mgですから急性毒性の心配はいりません。

それでも心配な場合、体内に取り込まれにくいフッ化物「モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)」を使用している歯磨き剤を使うのもよいでしょう。

つぎに、4-5歳児がフッ化物洗口を行う場合を想定しましょう。

250ppmの洗口液5mLには1.25mgのフッ化物が含まれています。

洗口後に口に残る15%は0.19mgですから、同じく心配いりません。

繰り返し使うという点ではどうでしょう。

4歳児が1000ppmのフッ化物配合歯磨き剤を1日3回、フッ化物洗口剤を1日1回使用するとして、1日に摂取するフッ化物量は0.3mgになります。

歯に斑点や染みができるフッ素症が生じる恐れがあるのは、3-5歳児(基準体重16.7kg)で1日に1.67mg以上のフッ化物を摂取し続けた場合ですから、歯のフッ素症が生じるという心配はいりません。

一方、高濃度のフッ化物歯面塗布は年に数回のため、急性毒性に配慮すればよいでしょう。

日本の塗布剤のフッ化物濃度は9000ppmで、1mL(1g)に9mgのフッ化物が含まれています。

そこで、体重10kgの1歳児がそのすべてを飲み込んだとしても、体重1kgあたり0.9mgですから手技に忠実に実施された場合の安全性は確保されています。

上本町プラザ歯科では子供から大人まで定期検診の度に希望された方にフッ化物塗布を行っています。

是非一度当院へお越し下さい。


上本町プラザ歯科

大阪府大阪市天王寺区上汐4丁目1−33 フェンテ上汐1F
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https://www.uehonmachi-plaza-dc.jp/


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