サプリメントについて

   

大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。

今回はサプリメントについてお話します。

皆さんは普段サプリメントを飲まれているでしょうか。

サプリメントの市場規模は1.5兆円にのぼるとも言われていますが、実は明確な定義はなく、「特定成分が濃縮された錠剤やカプセル形態の製品」とされているにすぎません。

また、薬以外で「病気を治す」と謳うことは禁じられているため、サプリメントは効能・効果を謳うことはできません(「特定保健用食品」として条件付きであれば、一定の効果を掲載可能)。

さて、サプリメントが食品と大きく違うのは「特定の栄養素を、食品では摂取出来ないほど多量に含む」点です。

私たちが普段食べている食品はマクロ栄養素やビタミン、ミネラルなどさまざまな栄養素を含んでいます。

十分な食事な摂取していれば、必要不可欠な栄養素はサプリメントなしでも補給できるものです。

サプリメント摂取による害として有名なものにβカロテンがあります。

βカロテンは緑黄色野菜に多く含まれる成分で、抗酸化作用を有し、喫煙者の肺がん発症を抑制することが期待されていました。

しかし、喫煙者にβカロテンのサプリメントを服用させた大規模介入試験では、肺がん発症が約1.3倍増加することがわかり、研究は中断されました。

この研究から、世界がん研究基金のレポートではβカロテンを「肺がんのリスクを明確に上げる」ものとして示しています。

なお、食品からのβカロテン摂取は肺がんリスクとの関連は示されていません。

一方、骨粗鬆症に対するカルシウム、ビタミンDや、妊娠準備期、妊娠中の葉酸摂取など、有効性がはっきりしているサプリメントもあります。

サプリメントの安全性や有効性などは国立健康・栄養研究所のデータベースが充実していますのでご参照ください。

サプリメントにあまり大きな期待をしすぎず、食事を十分に摂ることが何より大切です。

特に喫煙者や何らかの疾患を持つ方は、サプリメントによるリスクもあることを理解し、医師や管理栄養士に相談していただければ幸いです。


上本町プラザ歯科

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