口呼吸について

   

大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。

今日は口呼吸についてお話します。

鼻咽腔の機能に異常がなく、上下前歯の被蓋関係や骨格的な顎関係に不調和がないのに口呼吸の癖がある患者さんの場合、口唇を閉じる力である「口唇閉鎖力」が低下している可能性が高いと思われます。

口唇閉鎖力は、口呼吸患者では健常者に比べて有意に低く、60歳前後から低下傾向が見られることがわかっています。

また、口唇閉鎖力は、特に高齢者においては食べこぼしや流涎と関連し、他の身体機能や疾患などの影響を受けやすいとも考えられています。

口呼吸の改善方法としては、鼻に特殊なテープを貼って鼻腔を広げる方法や、口に絆創膏を貼って寝る方法などがありますが、どれも一時しのぎに過ぎません。

訓練などを行って、口輪筋を主とした筋群を鍛えることによって口唇閉鎖力を改善することが、口呼吸を鼻呼吸に変えるのに有効だと思われます。

下記では、患者さんが行う自主訓練について、日本摂食嚥下リハビリテーション学会がまとめた訓練法を紹介します。

自分で口唇を動かす口唇訓練としては、指で口唇をつまんで外側に膨らませるように伸び縮みさせて口輪筋を伸ばす「口唇伸展」があります。

また、口唇突出(「ウー」と発音して行う)と口角引き(「イー」と発音して行う)を繰り返す運動も有効です。

さらなる効果を望むなら、抵抗法として負荷をかけた運動を行うと良いでしょう。

これは、舌圧子や木べら、ストロー、定規などを口唇で強く挟んで保持する方法です。

また、臼歯部でしっかり咬んだ状態で、前歯と口唇の間に紐を付けたボタンを挿入し、口唇でしっかり挟んだ状態で紐を引っ張ってボタンが口腔外に飛び出さないように口唇に力を込める訓練である「ボタンプル法」も有効だと思われます。

その他として、最近では口唇閉鎖訓練のためのさまざまな器具が市販されており、これらを用いた訓練法も考案されています。

いずれの訓練もやりすぎはよくありません。

各食事前に5分程度行うのが良いとされています。


上本町プラザ歯科

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