歯磨きの回数について
大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。
今回は歯磨きの回数についてお話します。
皆さんは一日何回歯磨きをするでしょうか。
歯科疾患実態調査では、毎日2回以上歯を磨く者は77%、毎日3回以上歯を磨く者は25%いる一方、毎日1回の者は約18%と報告されています。
このように、1日3回以上の者が増加傾向にあり、また1日2回以上のブラッシングが一般化していると言えます。
口腔内に蓄積したプラークは成熟し、う蝕。歯周病原性をより強くします。
プラークは歯石の原因にもなります。
ブラッシング回数が増えれば、プラークが除去され口腔環境が改善されます。
しかしながら、多くの調査は、ブラッシング回数とう蝕予防効果との関連性を明確に示すまでに至っていません。
理由の一つは、フッ化物応用などの有力なう蝕予防手段の影響のない状況下での調査が困難なためです。
ただし、歯磨剤に配合されたフッ化物を歯に作用させる手段として、ブラッシングの有効性は認められています。
一方、歯周疾患予防との関連性については、「良い歯肉の状態」を保つためには1日2回以上のブラッシングが重要であることが示されています。
また、50年分の歯科疾患実態調査の統計処理から、「1日2回以上歯を磨く者の増加」と「一人平均喪失歯数の減少」との間に相関関係が示されました。
1日2回以上のブラッシングが、歯の喪失を防ぎ、口腔の健康に大きく貢献する可能性が読み取れます。
全身の健康との関連について言えば、すでに歯周疾患が生活習慣病の増悪に関与することが示され、またブラッシング回数と生活習慣病予防に関する最近のコホート研究は、毎食後のブラッシングが糖尿病等の発症を抑制する可能性を示しています。
以上のことから、毎食後のブラッシングは、う蝕や歯周病予防のみならず、糖尿病予防等の全身的な健康づくりに強く関与する可能性もあると考えられます。
ただし、ブラッシングによるプラーク除去作用は、その回数だけでなく、時間、技量、ブラッシング圧、歯ブラシの形状、歯磨剤使用の有無等の影響を受けますので、適切なブラッシング方法や歯磨剤の使用等についても考える必要があります。
上本町プラザ歯科
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