入れ歯の清掃について
大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。
今回は入れ歯(義歯)の清掃についてお話します。
義歯清掃で除去するべき義歯付着物は、デンチャープラーク、歯石様沈着物、色素です。
デンチャープラークとは、義歯表面に形成される、微生物を含むバイオフィルムです。
デンチャープラークの石灰化が進行すると、歯石様沈着物が形成されます。
また、色素は義歯表面だけではなく、デンチャープラークや歯石様沈着物を足場として外因性色素(ワイン・コーヒー・お茶・タバコのヤニ等)が付着したものを指します。
義歯清掃は、義歯用ブラシによる機械的清掃と、義歯洗浄剤による化学的清掃を併せて、初めて成立します。
義歯清掃の基本は、義歯用ブラシによる機械的清掃です。
あくまでも、化学的清掃は機械的清掃による清掃不良を補うものと位置付けられており、化学的清掃を行えば機械的清掃を行わなくてよいといった解釈ではありません。
通常セルフケアとして行われる義歯清掃指導では、機械的清掃を欠かさずにやってもらうために、まず先に機械的清掃を行った後に、化学的清掃を行うようして下さい。
3つの義歯付着物のうち、特に歯石様沈着物や色素は、セルフケアだけではなく、プロフェッショナルケアにおいても、義歯用ブラシによる機械的清掃だけで除去することは困難です。
そのため、これらは主に義歯洗浄剤を用いた化学的清掃で除去を行います。
ただし、セルフケアで使用する義歯洗浄剤では、強固に付着した歯石様沈着物や色素を除去することは難しく、限界があります。
あくまでも、セルフケアで除去できるのはデンチャープラークと経度な歯石様沈着物・色素であり、これらの付着を予防するために効果的に義歯洗浄剤を用いることを勧めます。
義歯洗浄剤について、何でも落とせる万能な洗浄剤と誤解しないようにして下さい。
セルフケア用義歯洗浄剤は主成分と有効成分により、次亜塩素酸、過酸化物、過酸化物+酵素、酵素、銀系無機抗菌剤、生薬、酸、過酸化物+二酸化チタン、界面活性剤+超音波などに分類されます。
歯科専売用義歯洗浄剤の中には特殊な主成分や有効成分が配合されていることもありますが、基本の成分は歯科専売用義歯洗浄剤も市販用義歯洗浄剤も同じです。
ここで義歯洗浄剤使用のポイントをまとめます。
①義歯洗浄剤に浸ける前に取れる汚れはしっかり落とす
②ぬるま湯に溶かす(40℃前後)
③水量を守る
④洗浄時間を守る
⑤表面に傷をつけないように注意し、しっかりすすぐ
以上をしっかり守ることが大切です。
入れ歯の汚れでお困りの方は是非一度当院にお越し下さい。
上本町プラザ歯科
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