早産・低体重児出産と歯周炎の関係
大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。
今日は早産・低体重児出産と歯周炎の関係についてお話します。
低出生体重児とは、体重2500グラム未満で出生した赤ちゃんのことを指します。
さらに、出生体重1500グラム未満を極低出生体重児、1000グラム未満を超低出生体重児と呼びます。
極低出生体重児や超低出生体重児であっても目鼻や手足は成熟した赤ちゃんと同様に整っていますが、皮膚のバリア機能などは週数が早ければ早いほど未熟なため、妊娠22~25週で生まれた赤ちゃんは皮膚からの水分の喪失で簡単に脱水に陥ってしまいます。
早産・低出生体重児での出生にはさまざまな要因があり、妊娠早期にお産が進みそうになってしまう切迫早産や、かつて妊娠中毒と呼ばれていた妊娠高血圧症候群、出産時期より早く破水してしまう前期破水などが含まれます。
妊娠36週6日以前に出生した児が早産児です。
通常胎児は妊娠27週ごろ体重が1000グラムに、30週ごろ1500グラムに達します。
出生体重が小さいということは、出生時の妊娠週数が早いこととほぼ同義であり、超低出生体重児や極低出生体重児、一部の低出生体重児はその未熟性のため呼吸や循環、栄養補給などを入院で管理します。
退院後は多くのお子さんが新生児科や小児科の外来で発育・発達のフォローを受けます。
2017年の厚生労働省「人口動態統計」によると、全出生のほど1割(9.4%)が出生体重2500グラム未満の低出生体重児でした。
これは1975年の5.1%から年々増加し、2005年に9.5%に達してから10年以上ほぼ変わっていません。
アメリカのOffenbacherら(1996)は、観察研究により、歯周炎に罹患した妊婦では、そうでない場合よりも低体重児出産のリスクが7.5倍(オッズ比)高いことを報告しました。
チリのLopezら(2002)は、歯周疾患をもつ妊婦400名のうち200名には妊娠28週以内に歯周治療を行い、出産前に治療が行われなかった対照群と比較して、早産・低体重児出産の確率が低くなった結果を報告しました。
アメリカにおける研究でもJeffcoatら(2003)も同様の結果を報告しました。
また妊娠中はホルモンバランスの関係で、歯周炎に罹患しやすい状態になっているので(妊娠性歯周炎)日常の歯磨きはもちろんのこと、定期的なメンテナンスがより重要になります。
上本町プラザ歯科では妊婦さんの定期検診も行っております。
是非一度当院にお越し下さい。
上本町プラザ歯科
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