糖尿病と歯周病の関係
大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。
今回は糖尿病と歯周病の関係についてお話します。
ホルモンの一種であるインスリンは血糖値の調整に重要な役割を果たすものです。
インスリンは膵臓のランゲルハンス島β細胞から合成・分泌されますが、必要量が分泌されれば血糖値は正常に保たれます。
一方、分泌の不足や、作用の減弱(インスリン抵抗性の上昇)は高血糖を引き起こし、高血糖状態が慢性化すると糖尿病となります。
糖尿病には、極度にインスリンが欠乏している1型と、インスリン分泌量の不足、インスリン抵抗性、生活習慣、環境、ストレスや加齢などの影響で発症する2型、その他に妊娠や特定の疾患に起因するものがあります。
発症当初は無症状であることが多いですが、高血糖状態がある程度持続すると、典型的な症状として口渇、多飲、多尿、体重減少、易疲労感などが現れます。
また、放置すると、網膜、腎臓、全身の神経や動脈に病変が生じ、視力低下、浮腫、足のしびれや壊疽、狭心症、心筋梗塞、脳卒中、感染症など、さまざまな症状や、合併症が発生します。
診断は血糖値、HbA1c値、自覚症状や網膜症の有無などで行います。
治療は血糖値を良好にコントロールし、症状や合併症の発生や進行を防ぐことが目的です。主な方法として食事療法、運動療法、内服薬や注射薬を用いた薬物療法があります。
国内の糖尿病患者は、平成29年度の厚生労働省国民健康・栄養調査によると、糖尿病が強く疑われる人の割合は男性が18.1%、女性が10.5%でした。
また、男女ともに年齢が高くなるほど割合が高くなります。
糖尿病と歯周病の関係については、Thorstenssonら(1996)は、6年間の観察期間において、罹患から25年経過している1型糖尿病患者で重度歯周炎がある場合、歯肉炎罹患患者と比較して、タンパク尿と心疾患の発生頻度が高かったことを報告しました。またTalyorら(1996)は、2年間の観察研究において、コントロール良好~中等度の2型糖尿病患者において、重度歯周炎である場合、血糖コントロールが不良になるリスクが増加することを報告しました。
Grossiら(1997)は、機械的治療と抗菌薬であるドキシサイクリンの投与を併用した非外科的歯周治療を行った結果、HbA1cの値が改善したという介入研究結果を報告しました。
その後、糖尿病と歯周病に関して多くの研究が行われるようになり、「歯周病と糖尿病は相互に影響しあう」と考えられるようになりました。
糖尿病の方はより一層定期的なお口のケアが大切になります。
是非一度当院にお越し下さい。
上本町プラザ歯科
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