フッ化物の応用について②
大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。
今回はフッ化物の応用についての続きをお話します。
これまで日本のフッ化物配合歯磨き剤のフッ化物濃度は1000ppm以下に規制されていました。
一方ISO(国際標準化機構)では1500ppm以下となっており、以前から500ppmの差がありました。
米国の水道水フロリデーション未実施地域で、フッ化物1500ppm配合歯磨き剤のほうが、1000ppmと比べ、21.8%う蝕予防効果があったことからも、日本でも2017年に1000ppmを超えるフッ化物濃度の歯磨き剤(剤形が液体のものが除かれるのは従来通り)が医薬部外品として承認されました。
ただし、このような高濃度フッ化物配合歯磨き剤の容器などには「フッ化物濃度の表記」「6歳未満の子供には使用を控え、手の届かない所に保管する」などと記載することになりました。
その後、高濃度フッ化物配合歯磨き剤は、歯科用だけではなく市販品としても数多く発売されるようになり、歯根ムシ歯を含む多くのムシ歯のさらなる減少に期待されています。
夕食後にフッ化物配合歯磨き剤で歯磨きをしてもで、時間がたつと口に残ったフッ化物は減ってしまいます。
そこで、4歳からは、1日1回就寝前に、フッ化物を追加する目的で、それほど技術を必要としないフッ化物洗口を行うとよいでしょう。
うがいしやすい量(幼児5mL、小学1~2年生7mL、小学3年生以上10mLが目安)のフッ化物洗口剤を口に含み、正面を向いて30秒間ブクブクうがいをし、吐き出してすぐに寝て下さい。
寝ている間にムシ歯になりかかった部分が再石灰化します。
フッ化物洗口剤に関しては、顆粒のものは溶解する手間がかかりますが廉価です。
液体のものはそのまま洗口できますが割高です。
濃度もさまざまで、ムシ歯のリスクが低い方が毎日自宅で使用する場合は225ppmか250ppmのもの、むし歯のリスクの高い方は450ppmのもの、学校などで週1回洗口するのであれば450ppmのものを溶かす水の量を半分にして900ppmにするとよいでしょう。
医療用医薬品と一般用医薬品という分類もあります。
顆粒のものでも水に溶かせば劇薬ではなくなります。
入手方法は歯科医院でフッ化物洗口の自費指導料金に含めてお渡しすることもできますし(規則により販売は不可)、薬局で購入していただく方法もあります。
利用しやすい方法を選びましょう。
上本町プラザ歯科
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