歯を抜いた後の食事について②

   

大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。

今回は前回に引き続いて歯を抜いた後の食事についてお話します。

前回お話した項目それぞれについての理由を述べていきます。

①硬いものは避ける

手術した部位に機械的刺激を極力少なくするためです。硬いフランスパンやおせんべいで新たな傷を作ったりする例はよくみかけます。ピーナッツやアーモンド、リンゴなども同様です。

②術後すぐは熱いものは避ける

術後しばらくは局所麻酔が効いています。熱いものを飲んだり食べたりして、口腔粘膜にやけどを負っても気が付きません。不要なやけどによるダメージを防ぐためには、重要なことです。

③小さな形状の食べ物を食べる

大きなものを口の中で噛み砕くためには、口腔周囲筋を十分に使わなければいけません。デリケートな手術のあとでは、ちょっとした筋肉の動きで創傷治癒に影響が出ることがあります。そこで小さい形状にして口腔周囲筋の過度な運動を避けてもらいます。

④バランスの取れた食事を摂取する

創傷治癒には、体に元来ある治癒のための代謝機構、免疫機構などが正常に機能することが不可欠です。しかしこの機能に影響を与えるものがあります。年齢、性差、器質的疾患の有無、代謝障害、薬物服用の既往と頻度、薬物の種類、生活習慣、精神的傾向などです。妊娠時や月経時、あるいは更年期など女性ホルモンの変動が顕著な場合も影響を及ぼします。そこでバランスの取れた食事や栄養のある食事が大切になります。これらの食事は体の生理学的なはたらきを助け、正常な創傷治癒につながります。

⑤辛いものは避ける

ひと口に香辛料といっても多々あります。そして人によって辛さへの感受性は異なり、辛い食べ物に対する代謝も個々で違います。代謝する酵素が異なるからです。そして香辛料にはたくさんの良い効果も報告されていますが、いずれも研究段階のもので、創傷治癒時の患者様に勧められる段階にはまだ達していません。先にも述べた通り、創傷治癒ではできるだけ局所の刺激を少なくしたいわけです。したがって、辛い食べ物は好ましくないと言えます。

⑥ビタミンCを多く含んだ食品を摂取する

結合組織を構成しているコラーゲン繊維は、300以上のアミノ酸の配列でできています。組織が治癒するには、アミノ酸が正しく決められた順番に並んだ状態でなければなりませんが、それにはビタミンCが必要です。しかもビタミンCは抗酸化物質です。抗酸化物質であるビタミンCを多く含んだ食品を取ることは、組織のダメージを防いでくれるのです。

術後の食事に関しては上記を意識するようにして下さい。


上本町プラザ歯科

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