マウスガードについて②
大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。
今回は前回に引き続きマウスガードについてお話します。
マウスガードでもっとも大事なのは、簡単に外れないこと、長時間着けていても問題のないことです。
また、噛み合わせも非常に重要です。
頭を起こした状態で違和感がないかどうか、できればプレー中の姿勢を取ってみて下さい。
また、リラックスした状態で下顎を閉じてみて下さい。
着けたばかりには痛みがなくても、練習で長時間使用していると不具合が出てくることがありますので、実際にプレーで使用してみて下さい。
お口のケガの多くは試合中よりも練習中に多く発生しますので、マウスガードは練習時から使用しましょう。
まずお手入れについてですが、マウスガードは比較的柔らかい素材でできているため、色や臭いがつきやすく、熱に弱い性質があります。
歯ブラシで磨くと細かな傷がつきます。
同じ理由で、研磨剤入りの歯磨き剤を使った清掃も避けてください。
マウスガード専用の洗浄スプレーの使用をお勧めしていますが、ない場合は、入れ歯用洗浄剤(スプレーやムースタイプ)での代用も可能です。
長期間の水中浸漬や付け置き用の入れ歯洗浄剤は避けて下さい。
マウスガードの損傷や劣化を防ぐためには、お湯で洗浄したり、炎天下の車内に置くのは避けましょう。
マウスガードは熱で変形するので、劣化が早まります。
また、お口に食べかすや糖分が残ったまま使っていると、マウスガードに臭いが付いたり、むし歯や歯周病を生じます。
お口の中がきれいな状態で使用しましょう。
マウスガードをつけたままの飲食はもちろん禁止です。
最後に、お口や顎に痛み・違和感がでてきた際には、使用を中止し、歯科医師の診察を受けてください。
マウスガードは消耗品です。
適正な状態で使えるように定期的なチェックと、必要に応じた再製・交換が必要です。
マウスガードが合わなくなる理由は大きく分けて以下の2つです。
マウスガードはシリコン印象材のような感触の弾性素材(EVAやポリオレフィン)で製作しますが、着脱を繰り返すと、少しずつフィットがゆるくなっていきます。
また、着脱以外にも、プレー中の一時的な噛みしめや、他者との接触などによって、物理的な疲労が蓄積されていくので、「ちゃんと」使っているマウスガードほど早く消耗していきます。
マウスガードを装着することが多い学童期~青年期には、短期間で大きな身体の変化が生じます。
特に、歯が生えかわる時期では、もともとあった乳歯が抜けたり、そこから永久歯が生えてきたり、今まで歯が生えていなかったところから歯が萌出したりします。
また、生えかわりだけではなく、顎の骨の成長もあります。
たとえば、8歳から10歳までの2年間に、左右の6歳臼歯の距離は平均で約1mm以上拡大します。
こういった理由で、成長期では、たとえ未使用のきれいなマウスガードであっても、製作して数ヵ月すれば合わなくなることもあります。
部活をされている中高生の標準的な再製作の頻度は、年に1回(またはそれ以上)が理想です。
当院ではスポーツ用マウスガードの作成も行っています。
お気軽にご相談下さい。
上本町プラザ歯科
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