口腔がんについて②
大阪市天王寺区にある歯医者 上本町プラザ歯科の歯科医師山本です。
今回は前回に引き続き口腔がんについてお話します。
口腔がんの進行段階について、原発腫瘍(最初に発生する腫瘍)の大きさ、範囲による分類ではおおまかに5段階に分かれます。
このうち、第2段階である「Early T2」までに発見できれば、手術を行っても組織の部分切除(たとえば、舌の一部)で済むことが多いです。
入院日数は10日から2週間程度、費用も70~80万円程度で済みます。
術後の摂食機能や、会話機能、審美面についても、術前とほぼ変わらない状態を維持できます。
一方、第3段階の「Late T2」を超えると、組織をすべて切除(たとえば、舌の半分もしくは全部)しなければなりません。
救命率は大幅に低下しますし、再発、転移の可能性も高いです。
たとえ救命できたとしても、切除部分が大きいため、体の他の部分から皮膚を移植して整える再建術が必要になります。
入院日数は1ヶ月以上になり、費用も約300万に増えます。
自己負担も国の保険負担も多くかかることになります。
口は、咀嚼や嚥下、会話など私たちが生きていくために不可欠な機能を担っています。
口腔がんの発見が遅れると、手術で口腔内外の組織を大きく切除した結果、術後の食事や会話などの機能、整容性の回復はかなり難しくなり、QOLや人としての尊厳が大きく損なわれます。
進行がんの場合、手術だけでなく、放射線治療や化学療法などで長期間の入院を強いられるため、退職を余儀なくされることもあるようです。
また外見が大きく変わることで、外出に心理的障壁を抱えてしまう人も少なくありません。
社会復帰することが難しくなった結果、抑うつ状態になってしまい、最悪の場合、自ら命を絶つようなことになりかねないのです。
実際、世界的に見ても、口腔がんは自殺率が非常に高いと言われています。
早期発見・早期治療が非常に重要になります。
(③へ続く)
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